Webの学習速度を加速するツールのアイデア
梅田望夫さんがウェブ進化論の中で、インターネットによって膨大な情報を効率よく共有できるようになったことを「学習の高速道路」と表現したことは有名な話です。
「ITとインターネットの進化によって将棋の世界に起きた最大の変化は、将棋が強くなるための高速道路が一気に敷かれたということです。でも高速道路を走り抜けた先では大渋滞が起きています」
前号で詳述した将棋プロ棋士・羽生善治さんのこの言葉は「インターネットの本質」を実に鋭くえぐったものだ。この「高速道路の整備と大渋滞」は、インターネットの普及に伴い、ありとあらゆる世界で起きつつある現象なのである。
でも、まだまだネットでのリーディングは学習や意思の伝達に最適化されてないなーと個人的には思っています。情報発信のしやすさという面では、ブログやSNS系ツールのおかげで環境がすばらしく進歩しているけれど、理解のしやすさという面がまだ弱いんじゃないかと思うのです。
はてなのサービス内ではキーワードを自動リンクしてくれるけど、普通のウェブでは自動リンクなんて機能はないし、はてなの自動リンクでさえも
- クリックした先のコンテンツを見なきゃいけないし
- 解説が自分のレベルに合っているとは限らない
- ページ移動によって思考の流れがストップしてしまう
などなど、ちょっと使いにくい面があるかなーと。
■リーディング用のwebサービス
そこで前々から、「こんなツールがあったらいいのでは!?」と思っていることがあります。
それは、こんな感じ。
- Webのリーディング時に、見ている人の理解度に応じて注釈を表示してくれるwebサービス
- 分からない単語を訳付きで表示する学習モードとOFFモード
- 学習モード時には、単語をポイントすると訳がツールチップ表示される
- 訳は一つの単語でも(例えば5段階ぐらいに)段階分けされていて、小学生から成人までそれぞれの理解度に応じた内容を表示してくれる
- 個人が理解済みの単語は、通常にテキスト表示される
- webサービスなので、どのPCから使ってもいつでも使える
理解できる単語が増えるにつれて、注釈がだんだんとなくなっていくようなイメージです。
また、サービスプロバイダとしては各人の理解度データを共有・統計することで辞書内容を最適にレベル分けしたままブラッシュアップするようなサービスだったらいいなーと思います。
こんなツール/webサービスがあると、
- ニュースサイトやブログなどのウェブで見る文章は何でも、誰でも理解しやすくなる
- 小学生から社会人まで、学習に使える
- Webが数倍読みやすくなるツール
これなら、月額2~300円程度でもいけるかなと思うけど、どうでしょうか。(3〜5年で1万円程度の計算)
コンテンツの充実に加えて、このような、辞書という"紙"には出来ない学習環境を加速してくれるようなツールも充実してくると、ウェブを使った学習がとても効率的になるんじゃないかなーと思います。そしてこれは、googleにはできない(しようとしない)サービス。
こんなツールを作る会社は、はてなでしょうか? それともJustSystemでしょうか?
そんな感じ。